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【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】

第4章 0.5



目を覚ましたとき、カーテンの隙間から朝の光が差し込んでいた。

一瞬、どこにいるのかわからなくて、透はゆっくりと瞬きをする。

隣に、人の気配。

視線を向けると、ベッドの端に腰掛けた爆豪の背中があった。

「……起きたか。」

低い声。振り返らないまま言う。

「ん……おはよ」

まだ少しだけぼんやりしたまま、透は軽く体を起こした。

沈黙が落ちる。
昨夜のことが、遅れて頭に浮かんできて——

「……あー」

間の抜けた声が漏れた。

爆豪の肩が、わずかに強張る。
何か言おうとしているのが、空気で分かった。

けれど、透は深く考える前に口を開く。

「まぁ、いっか。」

あっさりとした一言だった。

「別に、珍しいことでもないし。」

その軽さに、空気がわずかに歪む。
爆豪はゆっくりと振り返る。何かを言いかけて——止まる。

「……」

言葉が続かない。

透はそんな様子に気づかないまま、髪をかきあげる。

「変に気まずくなるのも面倒だしさ」

淡々とした口調。

「こういうの、割り切ったほうが楽じゃない?」

一拍。

「会いたいときだけ会って、って感じで」

悪気のない提案だった。

爆豪の視線が、わずかに揺れる。

本当は違う言葉を言うつもりだったはずなのに。全部、喉の奥で引っかかったまま、出てこない。

「……」

短く息を吐いて、視線を逸らす。

「……好きにしろ。」

低く、それだけ。

透は特に気にした様子もなく、小さく頷く。

「ん、じゃあそうしよ。」

それで、決まってしまった。

本当は始まるはずだったものが、言葉にならないまま。
朝の光の中で、静かに形を変えた。

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