【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第4章 0.5
ゴム越しに流し込まれる爆豪の熱を感じる。
「…あつ………」
しばらく動けなかった。爆豪は体重を透に預けたまま、心臓だけがうるさく暴れている。やがて、のろのろと顔を上げた。汗で額に張り付いた金髪の隙間から覗く赤い目が、呆れるほど優しかった。
エアコンの微かな駆動音だけが戻ってきた静寂の中で、二人の呼吸が少しずつ落ち着いていく。
やがて、爆豪は体を横にずらして隣に転がり、長い腕で透の頭を引き寄せた。
「……。」
何か言おうとして、結局出てきたのは。
「重かったろ。悪ぃ。」
それが精一杯の、不器用すぎる優しさだった。
「…大丈夫…。」
透は、へにゃりと力なく微笑む。
その笑顔に目を逸らす。耳が赤い。
沈黙が流れたが、気まずさはなかった。爆豪の指が無意識に透の背中をなぞっている。肩甲骨のあたりを往復する、ぎこちない手つき。
天井を見上げたまま、ぽつりと。
「…痛くなかったか?」
「うん……気持ち良かった。」
ぴたり、と背中をなぞっていた指が止まった。
一拍の間。
「……そういうこと、さらっと言うンじゃねぇよ。」
声が裏返りかけたのを咳払いで誤魔化し、透の顔を自分の胸にぐいと押し付けて、表情を見られないように隠した。