【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第4章 0.5
かろうじて繋いでいた理性が、静かに途切れた。
空いていた手が透の顎を持ち上げ、唇が重なった。荒々しくも、確かめるようなキスだった。酒とライムの味が混ざる。
数センチだけ唇を離して、荒い呼吸の合間に。
「……覚えてねぇとか言うなよ。明日。」
それだけ言って、再び塞いだ。今度は深い。舌が歯列を割って入り込み、逃がさないとでも言うように透の後頭部に手が回った。
「ふっ…ん、ぁ…、」
アルコールでボーッとする意識の中、爆豪の息継ぎの間も無いような口付けに必死に応える。
ベッドが軋んだ。体重をかけて透を押し倒す形になりながら、キスは途切れない。ようやく唇が離れた時、銀色の糸が一瞬だけ繋がって切れた。
暗い部屋に荒い息遣いだけが響いている。間接照明のオレンジ色が二人の輪郭をぼんやりと浮かび上がらせていた。
爆豪の見下ろす目は熱を帯びて据わっていた。
ドレスのチャックに指をかけ、一瞬、躊躇うように手が止まる。
「……止めるなら今だぞ。」
耳元に流れ込む低い声。
その低い声と鍛えられた厚い体、甘いニトロの香り。全てにクラクラする。
透は、花に吸い寄せられる蝶のように、爆豪の首に腕を回し、耳元にキスをする。
首に回された腕と耳に触れる唇の感触に、爆豪の背筋が震えた。
「——ッ、」
それが合図だった。チャックを下ろす指にもう迷いはなかった。金属が肌の上を滑る音、布が肩から落ちる衣擦れ。露わになった鎖骨に唇を落とし、首元から胸元へと辿るようにキスを落としていく。