【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第4章 0.5
透は返事もできないまま、爆豪の胸元にもたれかかった。完全に酔いが回っている。
深く、長い息を吐いた。天井を仰ぐ。
「おい……マジかよこいつ。」
しばらくそのまま動けなかったが、やがて諦めたように肩の力を抜いた。支える手だけは妙に丁寧で。
「バーテン、会計。あとタクシー呼べるか。」
バーテンダーは静かに頷き、端末を手に取った。「十五分ほどで」という返答。
透の家の住所を知らないし、深夜の街に放り出すわけにもいかず、かといって自分の家に連れ帰るのも——爆豪の頭の中で、思考がフル回転する。
すると、見かねたバーテンダーが一言。
「ここからタクシーで10分ほどのところに、シティホテルがございますよ。」
その言葉に爆豪は一瞬だけ目を細める。
「……。」
それから返事も無しに財布を出した。
「釣りはいらねぇ。」
タクシーを待つ間、店の外のベンチに透を座らせようとしたが、本人が離れない。仕方なく壁にもたれたまま支える形で十五分を過ごした。
通りかかる人達の好奇の目線を避けるよう、透の腰を支えたまま下を向く。
やがて、黒いタクシーが到着し、爆豪はバーテンダーが先ほど伝えたホテルの名前を運転手に伝えていた。