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【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】

第3章 0




「ん、申請が来てたからね。チームアップの練習にもなるし、良いかもなーって。」

グラスを握る手に力が入った。
「……ふーん。」

一拍の間。

ステージでは心操がマイクを渡されて困った顔をしている。酔った上鳴に無理やり押し付けられたらしい。

缶を一気に煽って空にし、テーブルの上に叩きつけるように置く。

「……あいつの氷とお前の水、相性いいもんな。ご立派なチームアップだ。」

声のトーンが微かに低くなっていた。「ご立派」という言葉に皮肉が乗っているのは明白だが、それが誰に向けた棘なのかは本人にも整理がついていない。

切島が遠くから声を張る。
「おーい爆豪ー!お前も一曲歌えよ!」

「死ね!」

即答だった。切島は笑っている。こういうやり取りも十年以上変わらない。だが爆豪の体は透のいる方にわずかに向いていた。離れる気配がない。


爆豪の不機嫌を解消しようと透は話題を変える。

「爆豪くん。お酒好き?ウイスキーとかジンベースのカクテルとか。」

眉がぴくりと動いた。意表を突かれた顔——というほどでもないが、予想外の角度から来た質問に一瞬だけ毒気が抜けた。

「……悪くねえ。甘ったるいのは嫌いだ。」

素直に答えた。普段なら「は?なんでてめーに教えなきゃなんねえんだ」くらい返しそうなものだが、酒が回っているのか、あるいは透相手だからか。


空いたグラスの縁を指先で弄ぶ。
「なんだ、奢りか?」

口角がわずかに上がった——嘲りではない。挑発だ。高校時代からこの男は、こうやって相手がどう出るかを試すような言い方をする。



「いや……私、ここよりもっと美味しいお酒があるお店、知ってるんだけど。」

カラオケのネオンが光る中、透はどこか艶めいた笑顔で爆豪のスーツの袖を引く。

袖を引かれた手首に一瞬視線が落ちた。キラキラとミラーボールの光が透のアルコールで上気した頬を照らす。

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