【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第3章 0
挑発に対して、爆豪の想像を超えた答えが返ってくる。
「……ッ。」
袖を引かれた瞬間、赤い目が見開かれた。
走馬灯のように、高校時代の透の姿が脳裏を過ぎる。
訓練場ですれ違う彼女の余裕のある立ち振る舞いや、廊下で見かけた当時恋人の先輩といる時の普段誰にも見せないような笑顔が、なぜか鼻について仕方がなかった。
鼻につく理由が「自分のペースを乱されるから」だと気づいたのは、卒業して、彼女の姿が見えなくなってからのこと。
一秒、二秒。ネオンの青と赤が透の山吹色の目を染めているのを凝視して——喉仏が上下する。
「——行くぞ。」
乱暴に透の手首を引く。
声は低かったが、こんなチャンスを断るという選択肢は存在しなかった。爆豪は立ち上がりざまにジャケットを掴み、颯爽と部屋の扉へ向かう。
「お、爆豪どこ行くんだ!?」
「うるせえ帰る。」
「えっマジかよ!早くね!?」
芦戸が「え、二人で!?」と叫んだが、背後で鳴り始めた青山のサビが見事にかき消した。