【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第2章 2
轟焦凍。雄英時代の同級生にして、No.2ヒーロー・エンデヴァーの息子。クールな見た目と裏腹に天然で、妙に距離感の近いやつ。
——爆豪にとっては色々な意味で気に食わない相手である。
無言。だが眉間の皺が明らかに深くなっている。
出るのか出ないのか、催促するでもなく、ただ透とスマホを交互に見ていた。
「ごめん、出るわ。」
透は応答ボタンを押し、スマホを耳に当てる。
爆豪は少し離れた壁に寄りかかり、聞こえないふりをしながら耳だけはしっかり立てていた。サングラス越しでも不機嫌さが滲み出ている。
電話口から、低く落ち着いた声。
「透、今大丈夫か。——来週の合同パトロールの件で少し話したくて。」
「三分なら。」
少し間があった。
「三分か。……じゃあ手短に。集合場所なんだが、お前の事務所の近くの——」
事務的なやり取りが続く。轟の声は淡々としているが丁寧で、「じゃあそういうことで」と締めくくろうとしたところで。
「——あ、そうだ。飯でもどうだ。前回うやむやになっただろ。」
アキは少し考える。
「パトロールの後にならいいよ。」
声のトーンがほんの少し上がった。
「ああ、それでいい。店は俺が探しとく。」
二言三言交わして通話が終わった。所要時間きっかり三分。
爆豪は壁から背を離し、歩き出す。何も聞いていなかったという顔。
「おまたせ。」
振り返らない。
「別にそんなに待ってねぇ。」