【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第2章 2
店を出た瞬間だった。背後から甲高い悲鳴が上がる。同時に——ドォン、と地面を震わす衝撃音。
商店街の一角、惣菜屋の向かいで黒煙が立ち昇っていた。
サングラスの奥の目が一瞬で切り替わる。
荷物を透に押し付けて。
「行くぞ。——てめぇは左から回れ。」
押し付けられた荷物を抱えて、ため息をつく。
「人使い荒いんだから…。」
文句を言いながら即座に変身用サポートアイテムを取り出し、言われた方向に走り出す。
商店街は一瞬でパニックに陥った。逃げ惑う人々、泣き叫ぶ子供、割れたガラスが歩道に散乱する。
煙の発生源は、異形型のヴィランが二人——身体が肥大化した大男と、手から火花を散らす小柄な女。女のほうが次々と周囲の店に火を放っている。*
「チッ…強盗か。」
右側から一気に距離を詰め、女ヴィランの視界に躍り出る。掌から閃光が走った。
「避難誘導終わるまで俺が引きつける——さっさとしろ!」
爆豪が女に気を取られた隙に、大男が逃走を図る。左方向——透が向かった先だ。地響きを立てながら商店の軒先を薙ぎ倒し、真っ直ぐこちらへ突進してくる。
「おぉ、本当にこっち来た。」
透はその場で大男を待ち構える。
大男は三メートル近い巨体。皮膚が灰色に変色し、両腕が丸太のように膨れ上がっている。口から涎を垂らしながら咆哮を上げ、逃走経路上の透を障害物としか認識していない。
「どけぇぇぇッ!」
右腕を振りかぶり、叩き潰すように振り下ろした。