【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第2章 2
二人は一緒に玄関を出る。
軽い変装で、爆豪はサングラスをかけ、透は帽子を目深に被る。
暑い陽射しが二人を迎えた。休日の商店街はほどほどに賑わっている。
すれ違う人々の中にヒーローが紛れているとは誰も気づかない。
——爆豪がサングラスをかけると途端にそっちの筋の人間にしか見えないという問題はあったが。
ドラッグストアの前で足を止め、自動ドアをくぐる。
「先に風呂のもん見んぞ。」
「はーい。」
棚の前に立ち、シャンプーを吟味している。
「前使ってたの何だ。」
「これ。」
そこそこ良いコスメシャンプー。
ラベルを見て眉を上げる。
「無駄に良いもん使ってんな。」
生活力がないくせに、肌や髪に関しては金を惜しまないらしい。
そのアンバランスさに爆豪は何か言いたげな顔をしたが、結局同じものを2本カゴに入れた。
透は爆豪の耳に近づき囁く。
「…良い匂いって言ってたでしょ。」
耳が赤くなるのを自覚して、半歩距離を取った。
「言ってねぇ。」
確実に言った。昨夜ソファの上で、酒を飲みながらぼんやりした空気の中で確かに言った。
透はイタズラっぽく目を細める。
これ以上、からかわれる前に足早に移動する。
「次。柔軟剤。」
柔軟剤を選び、お会計に向かう。
レジに並ぶ透。爆豪がさりげなく透の半歩前に立ち、店員からの視界を遮っている。
(あなたの方が有名ヒーローでしょうに…)
会計を済ませ、爆豪は袋を受け取る。
「帰るぞ。」