【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第2章 2
皿をテーブルに置く。二人分。当然のように。
向かい合って座る朝食。
何度目かの光景のはずなのに、こうして日が昇ってから並ぶと妙な気恥ずかしさがある。
昨日あれだけのことをしておいて、「いただきます」を言う顔が互いにぎこちない。
黙々と食べながら、スマホをちらりと確認する。LINEの通知。
事務所のサイドキックからだった。
「明後日朝イチで打ち合わせ」。画面を伏せた。
透は味噌汁に口を付け、湯気越しに爆豪を見る。
「仕事?」
箸が一瞬止まる。
「あぁ。明後日からしばらくバタつく。」
さらりと言ったが、「しばらく」の期間を爆豪自身も把握していない。プロヒーローの仕事に「しばらく」はあっても「暇」はない。
「ふぅん。」
自分から聞いたくせに興味無さげに返事する。
「爆豪くんは真面目だよね。事務作業とか会議も、ちゃんとこなしてて。
私はヒーロー活動の時と、書類にサイン書くのに呼ばれたときだけ行ってる。」
味噌汁を啜りながら。
「サボり魔が。
つーかてめぇの事務所の管理どうなってんだ。」
透は得意げな顔をする。
「最近、優秀な秘書を雇ったからね。その辺は抜かりないよ。」
腕を胸の前で組む。
「お金で全てを解決した。これでヒーロー活動に集中できるね。」
呆れた顔。
「最悪だろそれ。」
「最高の間違いでは?」
鼻で笑う。
「金で解決って発想がクズなんだよ。」
と言いつつ、効率を重視する爆豪自身も、やっと採用したサイドキックと複数の秘書を使い分けする体制を敷いている。爆豪の事務所は業務量が多いので仕方のないことだが。