【ヒロアカ】名前のない関係の終わらせ方【爆豪勝己】
第2章 2
朝。容赦なく差し込む陽光が2人の顔を照らした。
先に目を覚ましたのは爆豪だった。隣で眠る透を見下ろす。
寝顔。起きているときより幼く見える。
昨夜の情事の痕跡がそこかしこに残っている——シーツの乱れ、枕の位置、微かな匂い。
それを認識した瞬間、昨日の自分の醜態がフラッシュバックして爆豪は盛大に顔をしかめた。
そっとベッドを抜け出し、床に散らばった服を拾う。——下着がない。見回すと、ソファの隙間に挟まっていた。
「……。」
無言で回収し、洗面所で顔を洗う。鏡の中の自分はまだ赤みが引いていない。
リビングに戻ると、キッチンを物色し始めた。
キッチンから物音がする。透は目を擦り、ゆっくり起き上がる。
寝ぼけ眼でTシャツを被り、パンツだけを履き、そのままリビングへ行く。
フライパンを振っている背中。慣れた手つきだった。
「おせぇ。もうすぐ出来る。」
コンロの上では卵焼きとベーコンが同時に仕上がりつつある。冷蔵庫の中身を勝手知ったる様子で使いこなしていた。
ちらりと振り返って透の格好を見る。Tシャツにパンツ一枚。視線が一瞬下に落ちて、すぐ逸らした。
「服着ろ。」
「薄着派なんだよ」
舌打ちひとつ。皿に目玉焼きを滑らせながら。
「知るか。俺がいる時くらい着ろっつってんだ。」
昨日は下着までも自分で脱がせたくせによく言う。
だが朝の光の下で見るそれは話が別らしい。耳の先がうっすら赤く染まっている。
透はブツブツ文句を言いながら部屋着のショートパンツを履く。