第20章 epilogue 現実プロデュース
「あーあ、どっかに『週末の予定を完璧にプロデュースして、何もしなくても私を世界一楽しませてくれる、石油王レベルの甲斐性を持ったイケメン』、落ちてないかなあ」
晴れ渡った、週明けの昼下がりの屋上。
私はいつものようにベンチに寝転がり、太陽の眩しさを楽しんでいた。
もちろん、声に出したのは完全なる当てつけだ。
「アズサ、それ遠回しに俺へのダメ出しだよね?
ゴロゴロして終わったからって、そんな露骨に拗ねないでよ」
呆れたような声とともに、紫煙が風に流れてきた。
横を見ると、いつものようにスーツ姿の結城くんが立って煙草を吸っている。
調子が狂う。
いつもの平日の、いつもの光景のはずなのに。
きっと、何かが変わったからだ。
「拗ねてないし。
私はただ、無駄になった週末の有意義な使い方を脳内アップデートしてただけ」
「うちに来て映画観てると思ったら、俺の隣でいびきかいて寝始めたの誰だっけ?」
「誰だろうね。
たぶん、いい性格してて超優しいひと、なんじゃない?」
「確かにそうだ」
結城くんはケラケラと笑うと、携帯灰皿に煙草を押し付け、私の寝転がるベンチの端にすとんと腰掛けた。