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色彩を拒んだ瞳に、最強の影を

第2章 不完全な聖域


「…お前は、そんなに死にたいのか?」

「…!」

呟く兵長の瞳が、どこか悲しそうに揺れる。

「……分かりません」

私は兵長の瞳に負けたのかぽつぽつと話し始める。

「私は両親に愛されたことがありません。ただそこにいるだけの存在として扱われていました。ですが両親は…最期に私を庇ったんです。なんであんなことしたんでしょうね、ずっと私のことなんて見向きもしなかったのに…」

一度こぼれてしまった言葉は簡単には止まらない。

「今でも両親が私を庇って瓦礫の下敷きになった光景を思い出します。二人とも私が無事でよかったとでも言いたげな顔をしていました。その時から自分の命が自分のものではないような気がして気持ち悪いんです。」

「…」

兵長は頷きながらゆっくりと話を聞いてくれる。

「…すみません急にこんなこと言って。忘れてください。もう寝ます。紅茶、ありがとうございました。」

「お、おい!ちょっと待っ…!」

居心地が悪くなってしまい私は足早に兵長の執務室を去った。
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