第7章 第57回壁外調査――崩壊
何者かが、リヴァイ兵長の姿で現れた。
「兵長!」と声を弾ませたグンタさんの身体が、次の瞬間には糸の切れた人形のように宙を舞った。うなじを削り取られ、彼は声もなく息絶える。
「グンタさん!?」
そこに現れたのは、再び巨人化した女型の巨人だった。
「ノア、エレンを連れて逃げて!」
ペトラ先輩の叫びが響く。エレンを守るため、先輩たちは捨て身の攻撃を仕掛けた。
だが、地獄は止まらない。
ペトラ先輩を助けようとしたエルド先輩が、女型の口に噛み砕かれた。
その惨状に、常に冷静だったペトラ先輩がパニックに陥る。逃げようとする彼女の細い身体が、無情にも木に叩きつけられ、ひしゃげた音を立てて圧死した。
「……嘘、でしょ」
昨日、あんなに綺麗に笑って私にネックレスをくれた人が。
パイを食べようと、未来の約束をくれた人が。
木の下で動かなくなった彼女の胸元で、私とお揃いのネックレスが鈍く光っているのが見えた。
最後の一人だったオルオ先輩も、女型のうなじに刃を折られ、なす術なく蹴り飛ばされた。
「あああああぁぁぁ!!」
理性が焼き切れる音がした。
絶望は一瞬で激怒に変わり、私は立体機動のガスを全開にした。
だが、その視界を巨大な閃光が覆う。エレンが、咆哮とともに巨人化したのだ。