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色彩を拒んだ瞳に、最強の影を

第6章 つかの間の休日


街からの帰り道、すっかり日は落ち、古城の冷たい石壁が夜の静寂に包まれていた。

自室に戻り、慣れない私服を脱ごうとしていた時、控えめなノックの音が響く。

「夜分にごめんね、 #NAME1 」

扉を開けると、そこにはまだ私服姿のペトラ先輩が立っていた。

彼女は少しいたずらっぽく笑うと、小さな包みを私の手に握らせた。

「これ、今日のお礼。 #NAME1 に似合うと思って、こっそり買っておいたの」

包みの中には、細い銀の鎖に、小さな青い石がついたネックレスが入っていた。

「……こんなもの、受け取れません。今日はお金も出してもらったのに」

「いいの。……私ね、 #NAME1 とはもっと仲良くなれる気がするのよ。……ねぇ、今度の壁外調査から無事に帰ったら、二人であのお店にパイを食べに行かない? 今度は二人きりの女子会で!」

「……パイ」
あのお店の、バターの香りがした焼き菓子の味を思い出す。

ずっと、誰かと未来の約束をすることなんて避けてきた。

どうせ、守られないまま消えるものだと思っていたから。

けれど、手の中にあるネックレスの冷たい感触が、なぜか今の私にはひどく確かな温もりに感じられた。

「……はい。約束です、先輩」

私が小さく頷くと、ペトラ先輩は「やった! 楽しみにしてるわね!」と今日一番の笑顔を見せて、軽やかな足取りで去っていった。
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