第6章 つかの間の休日
街に出ると、私たちは歳の離れた兄弟と友人たちのフリをした。
私服の兵長は、威圧感が消えた代わりに、どこか近寄りがたい貴族的な気品が漂っている。
エレンはどこか居心地が悪そうだ。
「……おい、これ見ろよ。調査兵団の連中、また壁外で税金をドブに捨ててきたらしいぜ」
すれ違いざま、酒場の男たちが新聞を見て吐き捨てた言葉に、エレンが拳を握りしめる。
その手の上に、エルドがそっと手を置いた。
「……今はいい。俺たちは今日、ただの市民だ」
その言葉に、私は少しだけ胸が締め付けられるのを感じた。
私たちはただの人間ではない。いつ死ぬかわからない、そして、いつか人類の盾となって壊れるための消耗品だ。