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色彩を拒んだ瞳に、最強の影を

第6章 つかの間の休日


無理やり鏡の前に立たされた私は、そこに映る自分を、まるで他人のように眺めた。

色素の薄い、さらさらとした髪。それは手入れなどされていないのに、窓から差し込む光を透かして、銀色に近い光沢を放っている。

陶器のように白い肌は、返り血を浴びる戦場には不釣り合いなほど滑らかで、血色の薄い唇が、彼女の感情の起伏のなさを強調していた。

どこか遠くを見ているような、静かな瞳。

「……やっぱり、#NAME1は少し整えるだけで見違えるわね。まるで、古い物語に出てくる、意志を持った人形みたい」

ペトラがうっとりと呟きながら、私の髪に淡い色のリボンを編み込んでいく。

私自身は、鏡の中の綺麗な娘が死を待つ兵士であることに、耐え難い不快感を覚えていた。


門の前で待っていた男組の前に、ようやく完成したノアが連れてこられる。

「……お待たせしました」

「……随分と時間をかけたな」

兵長の言葉に顔を上げたエレンは、#NAME1を見て呆然と固まった。

「……え、#NAME1……さん……?」

「おいエレン、口が開いてるぞ。……まぁ、確かに。あのお人好し共にいじくりまわされると、それなりに見られるようになるもんだな」

兵長は平然と言い放ったが、オルオは「ふん、多少身なりを整えたくらいで兵長の気を引けると……ッ!」と言いかけて、あまりの変貌ぶりに言葉を失い、案の定、舌を噛んだ。
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