第4章 春を待つ足音
医務室から出ると、そこには案の定いつもの面々が揃っていた。
「……あー、いたいた。おい、ノア。お前、また兵長に派手な説教食らってたらしいな」
オルオ先輩が馬に跨るようなポーズで、わざとらしく顎を引いて私を見下ろしてくる。
「……オルオ、うるさい。彼女は怪我人なのよ」
「そうだぞ、オルオ。お前も昔、初陣で兵長に……」「ああっ! エルド、それは言うなと言っただろうが!」
溜息をつくペトラ先輩と、それを宥めるように笑うエルド先輩。
その横で、グンタ先輩は「……無事で何よりだ」と短く頷いた。
全員が100期生の、私にとっては2つ上の先輩たち。
人類最強の側近と呼ばれる、選りすぐりの精鋭たちだ。
「……別に、説教なんて。ただの見張りの通告です」
私が素っ気なく答えると、オルオ先輩が「あぁん?」と顔を寄せた。
「見張りだぁ? あの潔癖で容赦のない兵長が、直々にお前を見張ってやるなんて言ったのか? 光栄に思え、俺なんか昨日――ッ、痛っ! また舌を……!」