第1章 俺だけの先輩【アルハイゼン】
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「あははは、アルハイゼン、ありがとー」
「大丈夫です、これくらい」
足が覚束なく、アルハイゼンの腕を借りながら歩いている。
思った以上に優しい。
私よりも高い身長、長い脚なのに。
酔っ払いの私の歩幅に合わせて歩いてくれていた。
「アルハイゼンって、優しいね〜。
こんな先輩でごめんね〜?」
「いや、ユメコ先輩じゃなきゃこんな事してないです」
「え……?」
突然の事で、少し酒が抜けた。
もしかして、口説かれている…?
いや、酒の飲みすぎてそう思うだけかも。
そう思ってアルハイゼンの顔を覗き込んだ。
………少し、赤い?
酒場では顔色一つ変えないと思って見てたのに。
「……っ、あんまり見ないでもらえますか?」
少し気まずそうに視線を私から逸らした。
「ごめん、アルハイゼンも顔赤くなるんだ。
そりゃあそっか!いっぱい飲んでたもんね!」
「はあ……好きな人の前ならそうなるかと」
ため息をついて一言、私に言った。
完全に酔いが覚め、時が止まった感覚だった。
アルハイゼンの、好きな人?
私!?
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