第1章 俺だけの先輩【アルハイゼン】
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家に着いて安心したのか、また酒の波が来て
少しよろめいてしまった。
「先輩、大丈夫ですか?」
よろけた私をアルハイゼンが軽々しく支えた。
………インドアとは思えない身体してるな、と邪な考えがよぎってしまった。
「ごめん、ありがとう」
「はあ、先輩は座ってて下さい」
そう言ったアルハイゼンは私をソファに座らせ
キッチンに向かっていった。
慣れた様にマグカップを取り、お茶を用意し始め……あれ?
「……何でお茶の場所も、マグカップの場所も知ってるの?」
そう私が呟いた途端、アルハイゼンが見た事ない顔で私を覗きに来た。
「さっき言ったじゃないですか、先輩の事はずっと見ていたと」
「でも家に入れたのは初めてだし、それに「ダメじゃないですか先輩、戸締りはしっかりしないと。
1ヶ月も空けたら誰が入ってくるか分かったもんじゃない。
ああ、先輩が帰ってきた時の為にしっかり掃除はしておきました」
息が上がる、思考が追いつかない、怖い。
確かにおかしいと思った、前は数週間空けただけで埃が溜まっていたのに、今回はなくて、アルハイゼンは私の家の物の位置を把握していて、そんな男を私は今家に入れていて「何か喋って下さいよ、先輩」
痺れを切らしたのか、アルハイゼンがぽつりと呟いた。
「俺は貴女が去った後、気が狂いそうだった。
貴女がいたから成果を上げた時もあった。
どんな感情でもいい、貴女を俺で満たしたかった」
「はっ、は……」
恐怖で涙が出てきた、上手く息が出来ない。
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