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【HQ】アイミスユーの後遺症【孤爪研磨】

第2章 ピンクレディとアールグレイ




「ゲームすきなの?」
「……まぁ、うん」
「あ、ごめん、1人のほうがいいよね」
「べつに、………騒がないなら、いてもいいけど」


騒ぎたくてもそんな元気すらない私は、じゃあこの場にいてもいいってことだよね。スマホに釘付けだった孤爪くんが私に気づいて一瞬だけ顔を上げた。そのタイミングで見えてしまった画面には、なんだかよく分からないゲームのキャラが縦横無尽に動いてる。ベンチの端っこに座っていた孤爪くんの隣、人1人分ほど空間を開けて私も腰をおろした。


都会の巨大な駅から数十分。これまた巨大な緑地公園は、かくれんぼなんかしちゃったら絶対に見つける自信がない。

ベンチの真正面には噴水があって、そこから離れた広場で私の友人数人と、孤爪くんの部活仲間数人が走り回ってはしゃいでる。

いつもの通常運転なら、私だってきっとあの輪に入ってバカみたいに笑ってるんだろうけど。そんな気分になれるはずもなく、ジュース買ってくるって抜け出したら、案の定戻るのが億劫になってしまった。


何をするでもなく、何か話すわけでもなく。噴水の水が上から落ちてくる音をぼーっと聞いてた。それに時折混じって聞こえるゲームの音。そう言えば、私も小さい頃はよくやってたな、ゲーム。


「RPGで、どっちか花嫁選ぶやつが好きだった」
「………モンスター仲間にするやつ?」
「そうそう」
「やったことあるんだ」
「うん、でもクリアしたことはないんだけどね」


独り言、と言うより頭の中の言葉が無意識にそのまま出てしまってちょっと焦る。騒がないって約束だったから、結果的に声をかけたみたいな状況に、隣の孤爪くんをこっそり見たけど然程気にしてない、それどころか返事が返ってくるなんて思ってなかった。

彼はなんで1人でゲームしてるんだろ。初めましてをしてから数時間。公園へ移動するまでの、仲間以外をさらっと躱す言動とか、私よりも先にいなくなった孤爪くんを見ていて、さっきから疑問に思っていたことが何となく分かった気がする。人とコミュニケーションを取ることがあまり得意じゃないんだなって。


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