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【HQ】アイミスユーの後遺症【孤爪研磨】

第1章 君が残したメロウ・ブルー



大学で知り合った彼女は初対面の時から、それはもう抜群にモテるオーラを纏ってた。男も女も関係なく交流が広い故のど忘れか。ほら、食堂で仲良く話してたあの彼、と補足してみれば、何回かご飯行ったんだけどね、微妙だったわ。と今回も進展はしなかったらしい。

私も何度か見たことあったけど、爽やかな雰囲気イケメンで、話も楽しくて見てる分にはいい感じだったのに。この子のお眼鏡に叶う王子様とやらはどんなハイスペ男子なんだ?


そんなことを思いながら目的地まで2人で歩く。
周りを見れば、人人人。まるで激流のように人が流れてくる駅の連絡通路は、圧迫感で眩暈がする。下を向くと余計に気持ち悪くなりそうで、できるだけ視線を遠くに投げると、反対側から歩いてくる人の塊の中に見つけた違和感。


「あ、」
「ん?何?」
「や、なんか見たことある人がいたような……、たぶん勘違いだと思うけど」
「こんな多いとわかんないよね」


でも目が合った。すれ違いざまのほんの一瞬だけ、綺麗にがっつりと。だけど彼女の言う通り、数秒にも満たない時間で判断するのは些か無理がある。他人のそら似ってこともあるし。


今日は何食べよっかな。さっきからずっと上機嫌な彼女は完全にお口がパンケーキで、釣られて私もメニュー表が頭の中を占領してる。その間足は止まらず周りと同じ歩調。そろそろ出口が見える頃、自分の意思に反して止まった足は、誰かに腕を掴まれたからだった。


「…………っ」
「花衣?」
「……………研磨、くん?」
「やっぱりそうだった」


短い音さえ喉に張り付いて上手く出てきてくれなかった。名前を呼ばれてやっと絞り出した声は酷く掠れて、それでも雑路のノイズに紛れる前に相手がちゃんと拾ってくれた。

やっぱりそうだった、は私のほうだよ。


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