Wild Flower【ガチアクタ/ザンカ/現パロ】
第8章 灰とクオリア
「一度失敗したらね、めちゃくちゃ臆病になるの」
臆病になって、自分を責めて、男が信じられなくなる。
もしも、をずっと想像して、あの時こうしていればこんな結果にならなかったんじゃないかって。
何周もそんな思考が巡ったあとは、どうなると思う?
次はね、相手を責める側に回っちゃうの。
あんなことをされた、こんな風に扱われたって。
自分を省みずに、一度でも愛した人を悪者にしちゃうのよ。
結果、酷い人だったとしても、周りがどれだけわたしは悪くないよって言ってくれたとしても。
それさえもきつかった。
だって、そんな人に選ばれて、そんな人を選んだわたしはとことん見る目がないんだと言われているようなもんでしょ?
誰かと深く関わりを持った後、何かの拍子にそれが崩れたとして、また醜い自分を見るのが嫌なの。
だから人が寄ってこないように、変な人になろうと思ったの。髪を派手にして、むすっとしてれば近寄ってこないでしょ?
結局は自分の事ばかり必死なのよ。
「わたしは人に好かれる価値なんてないの。だからザンカくんにはもっと良い人ができると思うよ」
できるだけ重くならず、軽やかに告げてみれば、案の定音が消えた。やっと視線を戻して彼を見ると、何かを考えてるみたいに眉間の皺だけが目立つ表情。
そりゃそんな顔になるよね。
Dahliaを見つける少し前、離婚してから数年経った時期に好意を向けてくれた人がいた。
その人にも今と同じようなことを言った時、そう言えばザンカくんみたいな顔になってたな。
その後はぱったり連絡が途絶えたから、彼も同じようにフェードアウトしてくれればいい。
燻り始めた小さな火種は消しておかなきゃ、燃えた後だと精神的にきついから。