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Wild Flower【ガチアクタ/ザンカ/現パロ】

第11章 Wild Flower



「わたしはきっとこの先も怖いままだと思うの」
「怖いまま?」
「うん、いなくなるかもとか、たぶんずっと考えると思う」


先を憂うことの、なんと滑稽なことか。
過去の後悔も未来の不安も手探り寄せたところで、なんの得にもならない。
大人になるにつれ、凝り固まった頭は失敗を回避するために、最悪の自体をいつも想定する。だけどそんなものは、単なる長年染み付いた思考の癖なのだと。だったら怖くても自分が1番欲しいものを掴みたい。


「でも、それでもわたしはザンカくんと一緒にいたいって、…………思うのはわがままかな」


まるで自分が喋ってないみたいな、すんなりと出てきた言葉。一瞬だけ驚いた表情になる彼の隣で、この先どんな景色が見れるのか。

傷つかないよう卑下して、地の底まで自分で落とした自分の価値を拾うのはわたしだ。だけど先に拾ってくれたのは紛れもない彼だった。


「俺は約束なんぞできん。先のこともよう分からん。じゃけど今、は積めるじゃろ」
「今、は……」
「ほら、……積み木と一緒じゃ。重ねて重ねて高くなっていったらどっかで崩れる。じゃけど崩れたらまた一から積んだらええんよ」


そっからまた、一緒にやり直したらええ。

声のトーンは怖いくらい静かなのに、その一言一言がわたしの中に入ってくると、どうしてこんなにも暖かいんだろう。

絶対崩れないなんて嘘をつくどころか、彼は崩れることを前提としてる。わたしにはそれがどんな綺麗な戯言よりも、重みのある誠実な言葉にしか聞こえなかった。


「そういうことじゃけぇ、まぁ、これからもよろしく頼むわ」


そう照れ臭く笑った彼に、言葉に詰まって頷くことしかできないわたし。

時折主張する冷蔵庫のコンプレッサー音と、時計の針が進む音。

静かなDahliaの窓の外、夜の闇に揺れる名もなき野花のように。
私はただ、彼の隣で、しぶとく強く、根を張って生きていこうと思う。




【Wild Flower】


"What is a weed? A plant whose virtues have not yet been discovered."

〜雑草とは、その価値がまだ発見されていない植物のことである〜


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