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Wild Flower【ガチアクタ/ザンカ/現パロ】

第7章 似た者同士のノットイコール



「いらっしゃい」
「こんばんは」


いつもの匂いと音楽。この時間帯にしては、いつも以上のお客の多さ。

カウンターに数人。テーブル席に数組。
注文を出し切った後のそこには、人数のわりに時間がゆっくり流れてた。


「おお、悪いな、わざわざ持って来てもらって」
「いえいえ、こっちこそ。めっちゃ助かります」
「食ったらまた感想言うわ」
「お手柔らかにお願いしますね」
「はいよ。……で、どうする?コーヒー、飲んで行くか?」
「あー、」


入ってすぐに見つけた彼は、常連らしき男性と話し込んでた。わたしに一度だけ視線を投げて、またすぐに元通りになったけど、その一瞬でさえ冷たい汗が出そうになった。

ああ、ダメだ。普通に話せる気がしない。
あんな風に冗談ぶって逃げた手前、罪悪感に飲まれる感覚が不快すぎる。


「いえ、渡しに来ただけだから、今日は帰ります」
「りょーかい。帰り道気をつけてな」


タッパー2つを詰め込んだ保冷バックはエンジンさんに。扉を開ける時、ザンカくんのことは見れなかった。



「はぁぁ」


Dahliaから数十メートル離れた先、人の往来がないのをいいことに、道の真ん中で盛大な息を吐き出した。
店内にいた僅か数分足らずで、1日のエネルギーを全て使い込んだみたいな疲労感が全身を回る。


これからどうしよう。


頭の中をもう何百回もぐるぐるしてる言葉は、いざ顔を見てしまえば答えに辿り着きそうで急に怖くなった。
あの言葉の先を、彼の射抜く視線で紡がれた時、わたしはもうあの店には行けなくなる。
かと言って、のらりくらりと交わし続けられるほどバカにもなれない。


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