Wild Flower【ガチアクタ/ザンカ/現パロ】
第6章 最後の5秒が世界を変える
「あ、ごめん、長居しすぎた?わたしもそろそろ帰るね」
スイッチが入るとすぐに感情的になる性格は昔からだ。優等生ぶって、周りに悟られないよう影で毒を吐いていた子供の頃に比べたら、随分と物事をストレートにぶつけられるようになった。
「なぁ」
「ん?」
「俺と付き合わん?」
「……へ?」
「俺と付き合うてや」
「え、なに?どう言うこと?」
だけど、こんなスイッチの入り方、今の今まで俺は知らなかった。
頭では分かってる。
何言うとんじゃって。
自分でもわけわからんこと言うとんのも、ぶっ飛んだその思考をぶつけられて、理解できていない彼女の困惑した表情も尤もだ。
気づいたら口にしていた、そんなありふれた言葉をまさか自分が滑らせるなんて誰が思うんじゃ。
そういった類には無縁や思おとった自分が自分に1番びびっとるわ。
「何、なんの罰ゲーム?やだなもう、エンジンさんと賭けでもして遊んでたんでしょ」
「そんなもんしとらん」
「はいはい、年上揶揄わないで。……よし、じゃあ帰るね」
さっきから背中に突き刺さってたエンジンの気配が緩んで、会計を済ませた彼女はいつものように、またね、そう言って、これまたいつものふわりと笑った顔で手を振る。
だけど見落とせなかった。
何かを理解した表情に、ほんの一瞬宿った瞳の奥の警戒の色。
自分では普段通りを装ったつもりの彼女の拒絶が、俺には痛いほど伝わってきていた。
〜閉店後のDahlia座談会〜
「お前さ、順序って言葉、知ってるか?」
「なに、バカにしとるん?」
「バカにしてるんじゃなくて、バカだろまったく。どうすんの、花衣が来なくなったら」
「………迎えに行きゃあええんじゃろ」
「………お前恋愛絡むとそんなふうになるのな」