• テキストサイズ

Wild Flower【ガチアクタ/ザンカ/現パロ】

第6章 最後の5秒が世界を変える



スイッチが入るとすぐに感情的になる性格は昔からだ。優等生ぶって、周りに悟られないよう影で毒を吐いていた子供の頃に比べたら、随分と物事をストレートにぶつけられるようになった。良いか悪いかはさておき。


だけど、こんなスイッチの入り方、今の今まで俺は知らなかった。









ごちそうさまー!また来るねー!常連客が扉を開けたせいで、店内に吸い込まれる空気と混じった独特の甘い匂いが鼻についた。

エンジン狙いの身なりが派手な女は、いつも来るたびに、カウンターの奥が見える中央の席を陣取ってる。ひたすらに甘えた声で喋るもんだから、息苦しくて仕方ない。

軽くあしらわれて、どうしてそこまで熱心にアピールできるのか。俺の頭では到底理解などできなかった。


珍しく今日は朝から多忙で、途切れることのない客足がやっと引いたのは、昼メシを食べ損ねた数時間後。日が傾き始めた頃だ。

カウンターのカップを下げ、食器の山の1番下に埋もれたスポンジを、掬い上げてから蛇口を捻った。


「今日は早めに閉めて飯でも行くか。食いたいもん考えとけよ」
「腹減りすぎてなんでもええ気分じゃ」
「なら早くて美味いとこだな」


水切りラックに積まれたソーサーを一枚取り、丁寧に拭いていくエンジンも、今日の多忙で疲労が滲んだ表情をしている。

そりゃそうか、あれだけ下品な色気に当てられたらそんな顔にもなる。立場上、無下に扱えないから尚更だ。無自覚な思わせぶり発言はどうかと思うが。

/ 36ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp