第12章 再会(続)/シリアス
当然との意思の乗る返答を聞いていると一瞬そうなのかと錯覚しそうになるが、そんなはずはない。
繭は一度固唾を呑む、そしてはっきり口にした。
「いや、勝手にとか、そういうコトじゃない……」
わずかに歩調を緩める凛が、横顔だけを向けてくる。
鋭さのある目元は見慣れているのに、嫌な方の心臓の音がする。
繭の脚が止まりかける。
「………………弱」
「…………え?」
「何もしてねぇ」
「……」
ばつの悪さや言い訳であるならともかく、あの顔は本気でそれを言っている。それだけはわかった。
だからこそなおさらに、総じて意味がわからないし釈然と出来ないまま取り残されることになる。
それでも、止まりそうになる自分を無理やり動かす為に、繭は手元のジュースをもう一度飲んだ。
幸いにも先ほどよりは、味がよくわかる感覚はあった。
微妙というより普通にまずいし、よく見たら色も変だし匂いもトイレの芳香剤みたいだ。
このまま、蓋の開いたクソまずいトイレジュースを投げつけてやりたい気分になったが、それをやったら負けな気がしてさすがに思いとどまった。
ざわざわ抜ける風に乗せ、繭は独り言のように言った。
「……マズすぎるんだけど」
「……は?」
「……この謎ジュース」
「捨てろ」
「絶対捨てない」
即答で出た言葉は何の決意表明なのか、繭自身もわからなかった。
Fin