第12章 再会(続)/シリアス
不気味なほど一瞬で溶けた空気に身体も心も乗り遅れているのはわかるが、切り替えの仕方が見えなかった。
繭の思考は止まり、全身が固いのもわかる。
それでも無理やりに、繭は近くにある自販機に向かった。
選びもせずにちょうど目の前の見たこともないメーカーのジュースを買った。
ペットボトルの蓋を開け、美味しいとも思えないまま豪快にそれを飲み込んでみる。
今はただ、何かバグが発生したような感覚が妙に生々しいだけだ。
「……なにコレ、微妙なんだけど」
主語が何なのか繭にもよくわからなかった。
自分の声からも、芯が薄れている気がする。
何事もなかったかのように前を進む凛から、やたら距離を確保したくなるのは先ほどの事があったからだ。
ぽつぽつとだけ、繭は後ろから脚を進めた。
分断された意識がほんの少しだけ繋がる感じはあった。
考えてみれば、急にあの場を降りたのは凛の方なのに、何故か繭の方が後手に回る感じで終わるのでは納得出来ないものもある。
小さな勇気にしがみつく思いで、繭は後ろから恐る恐るの声をかけた。
「……今の、何だったの」
「別に」
「……それじゃ、わからない」
「知らねぇ」
「……だって、え、怖いんだけど」
「お前が勝手にビビってるだけだろ」
「…………」