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推しの娘☆

第1章 レンズ越しの体温 【ヒロアカ 轟焦凍×モデル】


記者会見会場の外は、開演前から異様な熱気に包まれていた。


「新人ヒーロー・ショート」と「トップモデル・」


この異例とも言えるペアによるハイブランドのアンバサダー就任は、発表と同時に世間を駆け巡った。
前回の雑誌で見せたあの圧倒的な「初々しい色気」が、単なる一過性の話題ではなく、巨大なビジネスへと昇華した事実に世間は沸き立っている。



無数のフラッシュが焚かれる中、二人が登壇した。
壇上、洗練されたブランドの新作を纏った二人の姿は、それだけで一枚の完成された絵画のようだった。
しかし、マイクが回ってくると、その「完璧さ」にわずかな隙が生まれる。



「ショートさん、今回のアンバサダー就任にあたって、パートナーであるさんの印象を改めてお聞かせください!」



記者の鋭い質問に、轟はわずかに眉を寄せた。



「……印象、か。……非常に、温かい人だと感じています。撮影中も、彼女に学ぶことが多く、その……助けられてばかりです。」



実直すぎる回答。
どこか言葉を選び、耳の端を微かに赤くして答える轟の姿に、会場の女性記者たちからは小さな吐息が漏れた。
プロヒーローとしての峻烈さと、質問に対するこの「たじたじ」な態度のギャップ。
それこそが今、日本中が彼に熱狂している理由そのものだった。


対照的に隣に立つは、流れるような動作でマイクを受け取った。



「ショートさんはとても謙虚におっしゃいますけど、私こそ彼の真っ直ぐな瞳に、いつも新しいインスピレーションをいただいているんです。現場での彼は、本当に心強い『ヒーロー』ですよ」



完璧な微笑みと隙のない受け答え。
彼女が言葉を発するたびに、会場の空気は華やかに塗り替えられていく。


慣れない場に緊張を隠せない轟を、彼女は視線ひとつ、言葉ひとつで優しくエスコートしていた。



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