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異世界転生悪役令嬢だと思ったら、本当の悪女はヒロインだった

第25章 公開聴取 後編


「……私は、ただ……」

 
 か細い声。

 
「皆と仲良くしたかっただけなのに……」

 
 その瞬間――広場の空気が一斉にエミリアへ向く。
 怒り。
 軽蔑。
 憐れみ。
 騎士団長カイルが一歩前に出た。

 
「言い訳は不要だ」

 
 低く、重い声。

 
「エミリア・ヴァレンシュタイン。貴族としての品位を失い、聖女を傷つけた罪——」

 
「その前に」

 
 私は静かに口を開いた。
 誰もが息を呑む。
私は、少しだけ首を傾けた。

 
「ひとつだけ、質問してもよろしいでしょうか」

 
 王子が眉をひそめる。

 
「……何だ」

 
 私は、リリアーナを見た。
私の瞳はは、怒っても泣いてもいない。
ただ、冷静だった。

 
「あなたが泣けば」

 
 ゆっくり言う。

 
「誰かが悪役になる」

 
 広場が静まり返る。

 
「それって」

 
 私は聖女に負けない無垢な微笑みを向けた。
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