異世界転生悪役令嬢だと思ったら、本当の悪女はヒロインだった
第25章 公開聴取 後編
公開聴取の日、学院の中央広場には人が溢れていた。
学生。
貴族。
騎士団。
そして王族。
まるで祭りのような人の波の中心に、ひとつの断罪台が立っている。
そこに立たされているのは——エミリア・ヴァレンシュタイン。
かつて王太子の婚約者だった令嬢。
そして今は、聖女をいじめた“悪女”。
広場のざわめきが広がる。
「ついに裁かれるのね……」
「当然だろう。リリアーナ様を泣かせたんだ」
「王子殿下まで怒らせたらしいぞ」
視線は冷たい。
だがエミリアは、ただ静かに立っていた。
まるで。
最初からこの場所に立つことを知っていたかのように。
やがて、王太子が立ち上がる。
「エミリア・ヴァレンシュタイン」
アルベルト王子。
「お前は聖女リリアーナに対し、度重なる嫌がらせと侮辱を行った」
隣で、白いドレスの少女が震えている。
聖女リリアーナ。
大きな瞳に涙を浮かべ、今にも崩れそうに見えた。