後宮は恋愛する暇はありません!なのに皇帝がやたら近い件!
第23章 暁辰と琳 中編
……へいか?
頭の中で言葉がゆっくり転がる。
陛下。
皇帝。
私は、ゆっくり目の前の人を見る。
その人は、少しだけ面倒そうに眉をひそめていた。
衛兵が膝をつく。
「暁辰陛下!」
……え
暁辰……
――陛下?
私は完全に固まった。
ちょっと待って……
頭の中が真っ白になる。今迄普通に話して。さっきも普通に会話して。
しかも――
私、ちょっと軽口まで。
「……琳」
名前を呼ばれて、びくっとする。
暁辰陛下が、こちらを見ていた。
「どうした」
「……」
言葉が出ない。私は慌てて膝をつこうとした。
でも、その前に、腕を掴まれる。
「いい」
低い声。
「今はいい」
私は固まったまま顔を上げる。
暁辰陛下は、なぜか少し困った顔をしていた。
そして、ぽつりと言う。
「……さっきの続きを聞きたい」
「え?」
「逃げなかった理由だ」
私は瞬きをする。