後宮は恋愛する暇はありません!なのに皇帝がやたら近い件!
第21章 課題 後編
「約束しただろう」
乳母は泣いていた。
「子供を守ると……」
琳の背筋が凍る。
脅されてる!
つまり。
後宮の門を開ける役、それが――乳母!
『第五の違和感 ― 鯉』
最後に琳は白瑪宮へ行った。
白虎妃
白宝 は元気に迎えた。
「琳! 鯉見て!」
池を覗く。確かに減っている。
だが琳は池の縁に気づく。
……網の跡?
夜に網を入れている。
しかも、池の奥。排水口。
「この池……外に繋がってるます!?」
焦った口調で琳は礼も弁えず、白宝に詰め寄った。
こんな無礼は他の妃だったら、棒打ちか、下手したら斬首でもおかしくない。
しかし、元の性格もあってか、琳をきにいってるからか、りんの勢いに気圧されながら白宝は思い出すように口を開いた。
「えっとー確かこの池は王都が建設される前からあるから、古い水路と繋がって、水を循環させてるから、多分外の水路に繋がっている……かも」
と、自信なさげに答えたが、琳には充分な回答だった。
つまり――鯉を盗んでいるのではない。
「ここから人が出入りしてる!その時に多分鯉は水路から外に出てる可能性があります!」
白宝は目を丸くした。
「え?」
琳は挨拶もそこそこにまだ驚いてる白宝を後ろに白瑪宮を出た。
すべてが繋がる。
その夜。
琳は一枚の紙に箇条書きで書いた。
・香草の消失
・匂い消しの衣
・秘密の手紙
・脅された乳母
・池の排水路
線を引く。そして結論に至る。
「……侵入」
誰かが。後宮に外から出入りしている。
しかも複数の場所を使って。
琳は震えた。
――これは……
ただの盗みではない。皇宮への侵入計画。
――満月の夜。
門が開く。
その瞬間――後宮に何かが入る。
琳は静かに立ち上がった。
「……報告しなきゃ」
だが、その時――背後から声がした。
「ほう」
振り向く。
廊下の影。
――『あの方』だった。
絹の素服に布で口元を覆っている。
彼は静かに笑う。
「そこまで読んだか」
琳は目を見開く。
「あなたは……」
男は言う。
「続けろ」
「この陰謀の首を」
「お前が捕まえろ」
琳はまだ知らない。
この事件の黒幕が――後宮の中にいることを。