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後宮は恋愛する暇はありません!なのに皇帝がやたら近い件!

第18章 皇后と四妃との対面 前編


瑠璃宮の奥庭は、春の光を柔らかく受けていた。
池の水面には柳の影が揺れ、石卓には白磁の茶器が並ぶ。
皇后瑠華 は、その中央に静かに座していた。
背筋を伸ばした姿は凛としており、笑みは穏やかだが、目の奥には計り知れない深さがある。
その左右に並ぶのは四妃。
青龍妃・碧麗 は艶やかな緑の衣をまとい、涼やかな視線で周囲を観察している。
朱雀妃・紅蘭 は紅の衣を翻し、扇で口元を隠しながら楽しげに笑う。
玄武妃・玄珠 は黒衣の奥で静かに茶を味わい、母としての落ち着きを漂わせていた。
そして白虎妃・白宝 は、相変わらず好奇心のままに周囲を見回している。
そこへ控えめに姿を現したのが琳だった。
女官に案内され、庭の端で跪く。

 
「洗濯場出の見習い女官、琳にございます」

 
声は小さいが、はっきりしていた。
一瞬、茶会の空気が変わる。
紅蘭が扇の奥でくすりと笑った。

 
「まあ。例の“毒衣”を見破った娘?」

 
白宝は身を乗り出す。

 
「えっ、あの子!?洗濯場の!?すごい!」

 
碧麗はゆっくりと琳を見下ろした。

 
その視線は、まるで宝石の鑑定士のようだった。

 
「……随分と若いな」

 
玄珠が静かに茶杯を置く。

 
「若さは問題ではありません。真実を見抜いたのなら、それだけで価値がある」

 
そして皇后瑠華が、穏やかに口を開いた。
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