後宮は恋愛する暇はありません!なのに皇帝がやたら近い件!
第17章 茶会 後編
「後宮は平穏が一番です」
その声は穏やかだった。
しかし全員分かっている。
この平穏は——表向きのもの。
毒、侍女の処分。
そして陛下がほとんど後宮に来ない現状。
それぞれの妃が、互いの顔を見ながら思う。
次に陛下が訪れる宮はどこか。
風が庭を通り抜ける。白宝だけが無邪気に言った。
「でも陛下、そろそろ来てほしいですよね」
その一言で。
四妃全員の視線が、一瞬だけ皇后へ向いた。
瑠璃宮の庭園には、午後のやわらかな光が差し込んでいた。
白い玉石を敷き詰めた庭の中央には、春の花が咲き乱れ、香り高い茶が静かに湯気を立てている。
皇后 沈・瑠華 は、静かに茶碗を持ち上げた。
「……毒衣の件、結局どう収まったのかしら」
その一言に、四妃の視線がわずかに動く。
青龍妃 碧麗 は淡々と答えた。
「解決したと聞いております」
朱雀妃 紅蘭 が扇を口元に当てて笑う。
「ええ、そう聞きましたわ」
「洗濯場の下女が気付いたとか」
白虎妃 白宝 がぱっと顔を上げる。