後宮は恋愛する暇はありません!なのに皇帝がやたら近い件!
第15章 事件を追え! 後編
この後宮、誰もが何か知っている。
しかし明橘は犯人じゃないだろう。
黒幕にしてはこの女性を見るからにお粗末すぎる。
この人は恐らく証拠も残さず、騒動になるような失敗は起こさない人だ。そんな気がする。
明橘はそれ以上何も言わず去っていった。
回廊に、私だけが残る。
静かな夜。私は空を見上げた。
さっきまで、ここにいた人。
あの人は、この騒ぎを全部——最初から見ていたはずだ。
春鈴は捕まった。
毒の件は、これで表向きは終わる。でも――
あの人が姿を消したのは、見られてはいけない立場だから。
私はまだ知らない。でも確実に分かることがある。
これはただの事件じゃない。
――後宮の奥。もっと大きな流れが動いている。
そして私は――もう、ただの洗濯場の下女ではない。
次にあの人に呼ばれる時。それはもう、偶然じゃない。