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後宮は恋愛する暇はありません!なのに皇帝がやたら近い件!

第15章 事件を追え! 後編


女官になれたのは何事だろうと怪しんで私に何かあるだろうと声をかけて来たのだろう。
 

「青龍妃様の衣、破れがないか確認するよう言われました」

 
嘘ではない。半分だけ本当だ。
 女官は面倒そうに頷いた。私は棚の衣を一枚ずつ触る。
縫い目、糸、結び――その時。

見つけた!同じ糸!

青龍妃の衣に使われていた糸と同じ撚り方。
だがその衣の主は——白虎宮の女官服。
私は目を伏せた。
つまり………
糸は白虎宮から流れている。
だが――それだけでは証拠にならない。
夜。
私は再び洗濯場へ戻った。桃児が桶を抱えている。

 
「琳、最近よくいなくなるね」

 
「仕事が増えたの」

 
嘘ではない。桃児は肩をすくめる。

 
「気をつけなよ。最近、物がよく無くなるんだって」

 
私は顔を上げた。

 
「物?」

 
「針とか、薬とか。
医官房からも薬草が消えたって」

——医官房。
翌日。
私は薬草庫へ向かった。見習い女官は雑務で呼ばれる。
だからここにも入れる。棚には乾いた薬草。
桂皮、甘草、人参………

その中に——見つけた!

小袋。中身は灰白色。私は匂いを嗅ぐ。
微かな硫黄、皮膚毒。
ゆっくり吸収される毒。衣の粉と同じ。
つまり毒の出所は——ここ。
だが鍵付きの棚だ。医官や下級女官、下女の目もある。
盗めるのは限られた人間。
私は帳簿を見た。貸出記録。
三日前――薬を持ち出した名。
青龍妃宮の侍女"春鈴"
――夜。
私はその名前を胸に、廊下を歩いた。月が石畳を照らしている。
背後に気配を感じる。
 

「……こんな時間にどこへ行く」

 
振り返る。
黎明だ。
私は跪く。

 
「調べています」

 
「何を」

 
「衣の毒」

 
沈黙。彼は私を見下ろす。
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