緋色の海に溶ける蜜情 【ONE PIECE 赤髪 R18】
第9章 終わりと始まりの街で
シャンクスと一緒だと、どうしても彼が目立ちすぎる上に、彼が「これ似合うぞ!」「これも買おう!」と自分のペースでどんどんカゴに入れてしまうため、自分のペースで店を見るのは久しぶりだった。
「わあ、この刺繍綺麗……。あ、この薬草、ホンゴウさんが探してたやつかも」
「お嬢、こっちに美味そうな果物があるぜ!」
「こら、お前が食いたいだけだろ! お嬢、こっちの服屋良さそうですぜ!」
大きな男二人を従えながら、は女の買い物ならではのワクワク感を楽しんだ。
シャンクスがいない寂しさは少しあったけれど彼好みの服ではなく、自分が本当に着たいデザインをじっくり選べる時間は新鮮だった。
海軍のパトロール隊とすれ違うたびに、護衛の二人がさりげなく彼女を隠すように立ち、存在を遠ざける。
そのおかげでトラブルに巻き込まれることもなく、彼女は必要な日用品や自分へのささやかなご褒美を次々と手に入れていった。
「……よし、これで全部です! 欲しかったもの、全部買えました」
「流石、手際がいいな! これならお頭が寂しくなって死ぬ前に戻れそうだ」
両手いっぱいに荷物を抱えたクルーたちと笑い合いながら、は予定通り早めに買い物を切り上げた。
けれど、集合場所へ向かう途中の広場で、彼女は偶然見てしまう。
処刑台を見上げる、シャンクスの何処か寂しそうな横顔を。