緋色の海に溶ける蜜情 【ONE PIECE 赤髪 R18】
第9章 終わりと始まりの街で
その背中を見送りながら、は胸の奥が少しだけざわつくのを感じていた。
ポツンと立ち尽くすの隣に、いつの間にかベックマンが立っていた。
「……そんな顔すんな。アイツにとってここは、いろいろと思い出すことがあんのさ」
ベックマンは紫煙を吐き出し、街の喧騒を見やる。
「お前も、たまにはアイツから離れてゆっくり羽を伸ばしてこい。四六時中あの猛獣に絡まれて、骨までしゃぶられてるんだ。今のうちにゆっくり買いもんでもしてくりゃいいだろ。チャンスだぞ」
その言葉に、はハッとした。
確かに最近のシャンクスは「手加減」を覚えたとはいえ、起きている間はずっと背後霊のようにくっついてくる。
また、隙あらば身体のどこかを触ってきたり、甘い言葉を囁いてきたりした。
「……ふふ、そうですね。たまにはゆっくり、お買い物、楽しんできます!」
「おう。おい、お前ら。についてけ。荷物持ちと、変な虫がつかねェようにな」
ベックマンの合図で、体格の良いクルー二人が「任せな、ベックさん!」「お嬢、何でも持ってやるぜ!」と威勢よく名乗りを上げる。
「ここは海軍の駐屯基地がある。目立つ真似はすんなよ。なるべく手早く済ませろ」
「はい!」
ベックマンに見送られ、は護衛の二人と共に賑やかな市場へと繰り出した。