夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第13章 戻らないプラーチド【東京第2結界】
「お兄ちゃん、わるいヤツやっつけてくれたんでしょ?」
「こう! ドッカ――ッンってね! すごかったんだって‼」
どうやら、傍にいた親か誰かが視界を塞いでくれていたようだ。配慮が足りなかったな。
「ぼくも おおきくなったら お兄ちゃんみたいに つよくなれるかな?」
「わたしも! お兄ちゃんみたいな やさしいひとになりたい!」
その言葉に、星也は軽く目を見瞠った。
――「星也は強いけど、甘さがあなたの最大の弱点ね」
――「“絶対”、兄さまに追いついてみせる」
――『同じ術式なのよ。あなたにできることは、あたしにだってできるはずだわ。“絶対”に!』
――「星也さんの強さには憧れますけど、星也さんみたいに優しくはなれそうにないです」
そんな皆の言葉を思い出す。
――「俺……星也さんみたいになりたい」
――「……こんな俺でも……まだ……星也さんみたいな人間に……強くて優しい術師になれる……?」
真っ直ぐに憧れてくれる虎杖に胸が痛んだ。
皆、僕を買い被って、夢を見すぎだ。
僕はどこまでも中途半端な人間でしかないのに。
星也は地面に膝をついて二人と目線を合わせ、幼い少年の頭を撫でた。