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夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】

第13章 戻らないプラーチド【東京第2結界】


「なんて顔してんだよ。人殺してビビッてんのか?」

 切っ先を向けて男が嘲笑する。

 自分がどんな顔をしていたのか分からなかった。そういう風に見えていたのか。

「気にしないでくれ。性分だ」

「偽善者。オマエみたいな奴が一番 気に障るんだよ」

「あぁ、そうだね。僕も僕が、世界で一番 嫌いだ」

 チッ、と男が舌打ちをして苛立ちを露わにする。

「退くなら追うつもりはない。君じゃ僕には勝てないよ」

 腕を刀に変える術式。剣術も相当な腕だろう。構えに隙がない。

 だが、それで負けるようなイメージは微塵も湧かなかった。このレベルなら戦いにもならないだろう。

「舐めてンのか?」

「事実を言っただけだ」

 静かにそう返すと、男は青筋を立てて顔を歪ませた。


「ふざけんな――ッ!」


 刀が真横に滑り、首を落としにくる。それに対し、星也は一歩も退くことなく素手で刃を受け止めた。

「――【拒絶】」


 ――ザシュッ!


 星也の受け止めた刀を起点に、男の身体が斬り刻まれ、鮮血が弾ける。

「だから言っただろう。喧嘩を売る相手は選んだ方がいい」

 加減はした。死んではいないはずだ。

 星也は襲ってきた男に一瞥をくれ、先ほど死なせてしまった術師のもとへ足を運んだ。

 無惨な血だまり――ここだけではない。いくつか点在している。彼らの襲撃に対処できなかったのか。それとも、上空から着地できずに墜落したのか。
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