夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第12章 トライトーンに蘇る恐怖【東京第1結界】
『そんなの いらないわ。あたしは あなたに搾取されるだけの存在でも構わないのに……!』
フツッと詩音の感情が途切れる――と、突如 肩が瓦礫越しに肩を射抜かれた。壊相の血の弾丸に貫かれたのだ。
バタッと倒れた詞織に、かや子の「あははははっ‼︎」と楽しそうな笑い声が響く。
「大口 叩いておいて こんなモン? お仲間がいないとなぁんにもできないんだ? でも、残念。ウニ頭の子も変態芸人も来ないよ。二人ともレジィとハゼくんに殺されてるだろうからね!」
はぁ、はぁ、と浅い呼吸を繰り返しながら、詞織はふらりと立ち上がった。
「メグが……簡単にやられるわけ、ないでしょ……だって……」
死ぬときは一緒だって、約束してるんだから。
髙羽も、実力はまだ把握してきれていないが、一方的な戦いになることはないはずだ。
「まだ立てるんだ? ――トドメ」
煩わしそうに眉を寄せた かや子が壊相と血塗に命じる。
『『【蝕乱腐術――「朽」】』』
ゾワゾワと全身を這うような感覚に、詞織は悲鳴を呑み込んだ。
先ほどから攻撃の掠めていた腕や足に花が刻まれる。時間経過で毒が全身に回り、死に至る術式だ。
――あまり、時間を掛けていられない。