夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第12章 トライトーンに蘇る恐怖【東京第1結界】
「ははっ! やっぱ、強いとそれだけ強い敵と戦ってるね! ホント楽しいよ‼︎」
条件は分からないが、話振りから、記憶を媒介に術式を発動していることは分かった。
発動条件は何だろう?
対峙したことのある敵?
何体まで呼べる?
血塗が血液を飛ばしてくるのを避けるも、跳ねた血飛沫が服を掠める。さらに壊相が【翅王】を発動し、無数の血の弾丸を放ってきた。
一度 戦ったことのある相手。だが、あのときは虎杖や釘崎、順平もいた。それに、壊相を倒したのは虎杖と釘崎だ。
どうにかギリギリ攻撃を躱せているものの、攻めに転じられる隙がない。
【領域】――やれるか?
だが、壊相と血塗を倒せても、かや子を倒せなければ意味はない。
――どうする?
『あたしがやってあげましょうか? この程度なら、“縛り”を解いてもらう必要もない。一瞬で片づけてあげるわよ』
「いい。これは わたしの戦いだから」
瓦礫に身を隠し、詞織は拒絶を示す。
『なんで そんな頑ななの? あたしを頼ってよ! あたしは……‼︎』
必死に言い募る詩音に、詞織は首を振った。
「メグにだけ背負わせたくないの。それに、わたしだって強くなりたい」
『必要ないでしょ。あたしがいるんだから』
「それじゃダメ。詩音を愛してるから、対等でいたい」
どちらか一方が依存している関係ではなく、互いが互いを必要とし合える関係――力も、情も。
まだ、力の面では頼ってしまう。それをなくしたかった。