夢幻泡影②【呪術廻戦(死滅回游〜)/伏黒 恵オチ】
第12章 トライトーンに蘇る恐怖【東京第1結界】
「この程度で……!」
「どの程度?」
詞織は炎を剣に纏わせ、炎の奥に揺らめく呪霊に飛びかかった。
――ザンッ!
呪霊に一太刀を浴びせる。斬り裂かれた呪霊が炎を散らしながら溶けるように消えていった。
「へぇ……なかなか やるじゃん。さっきのウニ頭の子も強かったし、仲間のキミが強いのは当然かな」
「あなたの点をちょうだい。そしたら、ここで終わりにしてあげなくもない」
剣の切っ先を向けて凄むが、彼女は引き下がることなく「はぁ?」とか歪んだ笑みを浮かべる。
「点を寄越すのはキミの方だよ」
かや子の大きな目と合った。チカチカと彼女の瞳が光ったかと思うと、詞織の目の前に二体 現れた。
ズングリした体躯、絶え間なく血涙を流す虚ろな眼窩。人面の下に さらに巨大な口を持つ青い体表を持つ異形。
もう一体は、ボディハーネスで筋肉質な裸体を縛り上げ、蝶ネクタイと黒いレッグウォーマーを身につけた男。
「……壊相……血塗……」
二人は呪霊じゃない――ということは、かや子の術式は呪霊を操るというものではない。