第6章 クレッシェンドに高まる熱【賭け試合】
「そういや、俺たちって今 高専側?」
「グレーだが、少なくとも秤さんから見たらクロだろ」
総監部の意に反し、五条 悟の封印を解こうと動いている。それに、虎杖の死刑執行も偽装して反故にしたのだ。はっきりと『高専側』だと断言できる立場ではない。
それでも、事情を何も知らない秤にとっては、高専の学生というだけで敵だろう。
「そもそも、協力してくれるような人なの?」
「どうだろうな。やってることがやってることだし、先輩たちは皆 ロクでなしって言ってる」
伏黒自身も会ったことがないのだ。高専に入学したときにはすでに停学中だった。何をやったら そんな長期間も停学になるのか。
だが、あの乙骨が自分より強いと言っており、五条のお墨付きもある。戦力として絶対に欲しい。
駐車場のバーを潜ると、屈強な男とスーツを着た小柄な男が見張りをしていた。
見た目の印象だと、屈強な男は脅しと実力行使担当、小柄な男は交渉や頭脳担当といったとこだろうか。
伏黒たちに気づき、二人はすぐにこちらへ鋭い視線を向けた。
「帰れ、ガキんちょ。ここは溜まり場には向かねぇよ。1、2の3で回れ右だ。それ以外の選択肢は俺に殴られる」
「金がいる。ここでやってる賭け試合に出場させてくれ」
ん? と一瞬 虎杖が怪訝そうな表情をする――そう思ったときには、風を切る音と共に重たい拳が飛んできた。
脅し――そうすぐに分かり、伏黒は微動だにすることなく眼前で寸止めされた拳を見据える。