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夢幻泡影②【呪術廻戦/伏黒 恵オチ】

第5章 心を揺さぶるエレジー【パンダだって/葦を啣む】


「パンダ!」

「おっ⁉ オマエ……メカ丸か⁉」

 見知らぬ男に呼ばれ、誰かと問おうとするも、匂いからすぐにメカ丸だと気づいた。隣には同じく京都校の三輪と、メカ丸2号・3号もある。

 いったい何があったら、ロボから人間になれるのか。気にはなったが、今 聞くべきはそれではないだろう。

「オマエ、処刑じゃなかったのか?」

「三輪と……夜蛾学長に助けてもらった」

 そして、パンダを探していたところでかち合ったらしい。

「メカ丸が、夜蛾学長の様子が気になるって……」

「妙な胸騒ぎがする。それで、オマエの鼻で追ってもらおうと探してたんだ」

 妙な胸騒ぎは自分も同じだ。

「まさみち はこっちだ。ついて来い」

 そうしてパンダはメカ丸と三輪を連れて出たアパートと森の間の小道に、二人の人影を見つける。酷い血の匂いに妙な胸騒ぎは確信へと繋がった。

「まさみち……っ!」

「「楽巌寺学長⁉」」

 致命傷を負った“父”の姿に感情が一気に溢れるも、パンダは冷静にそれを鎮める。

 メカ丸2号と3号が主人の前に出て構え、三輪も腰に下げた刀の柄に手をかけた。
 楽巌寺も折れたギターを投げ捨て、臨戦態勢をとる。その間を パンダは無言で進み、楽巌寺の横を素通りした。

「おい、パンダ……」

「なぜ 戦わん? 儂が憎くないのか?」

 戸惑っているのはメカ丸と楽巌寺だけでなく、三輪もどうしていいか分からず動けずにいるようだった。

「オマエら人間と一緒にすんな。パンダはそんなものに囚われん。アンタ、まさみち と仲悪くなかったもんな。どーせ、上に命令されてやっただけだろ」

 ならば、自分にとって楽巌寺は、落ちているナイフのようなものだ。

 そう言って、パンダは呼吸の完全に止まった夜蛾の遺体を両手に抱える。

「だが、これだけは覚えておけ。パンダだって泣くんだ」

 こらえきれる涙が溢れ、パンダは大声を上げて感情のままに泣き叫んだ。

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