第2章 お手振り王子の誕生日。
規制退場の列に並びながら、うさみは火照った頬を夜風にさらしていた。
耳の奥にはまだ爆音が残り、視界の裏には水色の海と、その中心で誰よりも輝いていた「てら」の姿が焼き付いている。
(……はぁ。かっこよかったなぁ)
あんなに近くで、自分だけに向けられたあの「ニヤリ顔」。
周りのファンが「今の何!?」「てら、最高すぎない!?」とパニックになっている中で、必死にペンライトを振った自分を褒めてあげたい。
ドームの敷地外に出ると、立ち止まってスマホを取り出し、溢れる想いをぎゅっと凝縮してメッセージを打った。
『最高だったよ!!!お疲れさま。31歳、世界一かっこいいスタートだった。家で待ってるね』
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