第13章 誕生日編
細い金のチェーンネックレスに、トップは赤い宝石が光っている。
ハートに象られたルビーの石が金の台座に映えて、確かな存在感を放ち、一瞬で魅せられていった。
「……可愛い! すっごく綺麗…!」
あなたは見入りすぎて時間が止まったような感覚になる。
「これくれるの? ほんとに、私に? どうしよう、こんなに素敵なもの」
彼を見上げると、優しく寄り添うような瞳でこちらを見つめている。
「もちろん。名無しちゃんのために選んだんだ。前に出張に行った時に、素敵な宝石店と関わることがあってね。そこから取り寄せたんだ」
彼は連絡を取り合い、何度か見に行って選んでくれたらしい。
すると彼が立ち上がったので驚く。
周りの客もいる中であなたの後ろにまわり、ネックレスをつけてくれた。
その瞬間と彼が笑顔になるまで、鼓動がドキドキしながら待った。
「どうかな?」
「うん、すごく似合ってるよ! 思った通りだ、いやそれ以上だね。とっても可愛いよ名無しちゃん」
今日一番嬉しく、照れが募る。
あなたはネックレスをなぞりながらお礼を伝えた。
「ありがとう、ヴィクトル。なんて言ったらいいんだろう、胸がいっぱいだよ。宝物にするね」
嬉しすぎて言葉に詰まるぐらいだ。
すごく女の子らしいネックレスで、甘さとロマンチックさを兼ね備えている。
背伸びをしなくてもいい、あなたのために彼が考えてくれた、ぴったりなジュエリーだった。
彼の気持ちと愛情が、まるで全身を守護して包み込んでくれているように感じた。
バンガローに戻ってくると、外はすっかり真っ暗になっていた。
松明が灯るバルコニーもあるし、あとで冬の空気を吸いながら温かい飲み物を飲んでもいい。
暖炉には常に煌々とした火があって神秘的な気分になる。
夜は二人ともゆったりした服装に着替え、くつろぎ始める時間だった。
あなたはしばらく鏡の前にいて、ネックレスを眺めていた。魔法のように夢見心地だ。
見るだけで彼の存在を感じる。きっと離れていても気持ちに寄り添ってくれる、すでにそんな特別な存在になっていた。