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美オヤジを誘って囲われて救われる話

第12章 語り合い


「家族が反対していれば、相手の環境も悪くなるからな。それになヴィクトル。俺の娘が大きくなって、もしお前みたいなやつを連れてきたとしよう」

ヴィクトルは父親に咎められた時のような疲れきった表情をわざと浮かべた。
しかしフロリアンはこう続ける。

「もしお前みたいなやつが現れたら反対はできないかもしれない。お前は素晴らしい男だ。文句はない。中身を知っていればな」

するとヴィクトルはとても大きな声で笑い出した。
フロリアンは彼の肩を大げさに抱いて、昔のようにがっしりと組む。

「幸せにしてやれよ。責任感を持ってな。……お前の話を聞く限り、彼女もいい子そうじゃないか。お前のことを大事に考えてくれているようだ。そんな女性はこの先いないだろう」
「そうだな。今までもいなかったし、これからもいないだろうと思うよ。彼女は、名無しちゃんは特別な子なんだ」

そう表明されてフロリアンの顔つきが変わる。

彼が思い浮かべているのは、ヴィクトルの昔の恋人のことだ。
二十代の時にヴィクトルは真剣な恋をしていた。そんな彼が恋人に夢中になり、愛し合い、傷つき裏切られ、去られたことを隣で見てきた。

だから今は余計に感慨深い。

ヴィクトルは三十代になってからは、真剣な恋をほとんどしていなかったように思える。

彼は紳士的で女性を弄んだことはない。わざと弄ばれることはあったとしても、彼から女性を傷つけることは決してしなかった。

勝手に来て自分から去る者も、彼は追うことはしない。それだけの情熱はもう消え去っていたはずだった。
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